為替(FX)詐欺とは
はじめに。
今回のテーマは、為替(FX)の世界で横行している詐欺の手口について。
FXの世界に足を踏み入れたばかりの初学者や、元々の性格がとても素直で優しく、人をすぐに信用してしまう方は詐欺師のターゲットにされてしまいがちです。
何の罪もない善良な方々が、詐欺の被害に遭わないための方法論、そして、万が一詐欺の被害に遭ってしまった場合の対処法についてお伝えします。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
為替(FX)の世界で主に横行している主な詐欺の種類
ポンジスキームという詐欺の手口
ポンジスキームという詐欺をご存じでしょうか。
英語では、Ponzi schemeと表記します。
ponziは、アメリカ出身の大詐欺師チャールズ・ポンジ(Charles Pomzi)の名前が由来です。
schemeは、「計画」「悪いたくらみ」等と訳されます。
直訳すると、「ポンジの悪いたくらみ。」嫌な予感しかしないですね。
ポンジは、1910年代から1920年代にかけ、アメリカで活動した詐欺師です。
チャールズ・ポンジが行った詐欺は、まず投資名目で多額の出資金を集めつつも実際には運用せず、集めた出資金を自身の利益と自転車操業的に他の出資者への配当金として充当する、いわゆる「ねずみ講詐欺」の形態でした。
このねずみ講詐欺の一番恐ろしいところは、出資者が、最初にわずかな配当金(もちろん、出資金を運用して出た利益ではなく、他の投資家の出身金を回しているだけ)を得ることで、主催者を信じ、次回の配当金に期待してさらなる出資をしてしまうところです。
ネズミ算は、「ある期間にネズミがどれだけ増えるか。」を計算する和算の一つです。
例えば、ねずみの夫婦が子供を12匹生んだとして、ねずみの総数は、夫婦と子で14匹、夫婦のペアは、親を合わせて7ペアです。
来月、7ペアが新たに12匹ずつ子供を産みます。
すると、ネズミの総数は、7匹×12匹=84匹、84匹+元々いた14匹=98匹になります。
こうして1年(12か月)が経過すると、ネズミの数は、276憶8257万4402匹になります。
膨大な数ですね。
似たような数式に、西洋のフィボナッチ数列のウサギ算があります。
フィボナッチ数列は、FXと深い関りがあるので、こちらもぜひ勉強してみてください。
おもしろいですよ。
さて、このポンジスキームを為替(FX)詐欺に置き換えると以下のような内容になります。
ある日、突然あなたの携帯電話機のメールや電話、あるいは郵便物等が届きます。
- 「当社は、極秘裏に厳正なる審査を行い、あなたを選びました。」
- 「あなたは、選ばれた特別なゲストです。」
- 「当社に資金を預けていただければ、為替や仮想通貨取引であなたの資産を運用し、毎月20パーセントの配当金をお約束します。」
読者の皆様でしたら、このような甘い誘惑に乗りますか?
おそらく、身をもってFXの厳しさを知っている中級者以上のトレーダーの方であれば、こんな嘘っぱちを信じないと思います。
しかし、FXを始めたばかりで勝ち方を知らない初心者の中には、騙されて資産をすべてつぎ込んでしまう方もおられるのです。
そして、前述のとおり、最初は実際に少額の配当金を振り込まれることが多いのですが、これが詐欺師の手口で、この配当金(実際には、他の被害者の出資金をあてがっているに過ぎない)を受け取ることですっかり詐欺師の嘘を信じ込んでしまうのです。
さらに詐欺師の誘惑は続きます。
- 「今が投資のチャンスです。」
- 「さらなる出資をしていただければ、あなたはプラチナステージに上がり、毎月の配当金が50パーセントになります。」
等と、どう頑張ったところで到底実現不可能な利益が得られる当と誘惑をしてきます。
しかし、最初の配当金が約束通り支払われ、すっかり詐欺師の虜になってしまった被害者は、詐欺師から言われた通り、残りの全財産を出資してしまいます。
もちろん、このような自転車操業が長く続くわけもありません。
詐欺師としては、被害者を信じ込ませるため最初に配当金を支払う目的以外のお金は、すべて自分の利益にするのが当然でしょう。
だから、全財産を突っ込んで、これ以上搾り取れないと判断された被害者から順番に捨てられてしまいます。
配当金が約束通り支払われなくなって、被害者が文句を言ったとたんに音信不通になるでしょう。
配当金でない名目では、例えば、
- 「少額の手数料を支払っていただくだけで、当社が抱える専属のトレーダーがあなたの資金を運用します。」
- 「取引の対象は、為替や仮想通貨です。」
- 「トレーダーは、勝率9割を超える精鋭揃いです。」
- 「このようなチャンス、滅多にありません。」
- 「今がチャンスです。」
- 「あなたは、選ばれた人なのです。」
等と嘘を言う手口もありますが、これもれっきとしたポンジスキームで、実際には、トレーダーもいないどころか、資金を運用するなどまったくのデタラメです。
しかし、詐欺師が送ってくる運用成績は、億万長者を簡単に夢見てしまうほどの右肩上がり。
もちろん、詐欺師が送ってくる運用成績もまったく実体のないものです。
注文日時、枚数、通貨ペア等、全部秘密。
なぜなら、実際には出資金を運用していないからです。
しかし、詐欺師の術中にかかってしまっている被害者の心理状態としては、
- もっと投資すれば、もっと儲かる。
- お金って、こんなに簡単に増えるんだ。
- どうしてもっと早く知っておかなかったんだ。
- 大丈夫、すぐに何倍にもなる。
- もっと・・もっと・・全財産を投資してしまおう。
という感じでしょうか。
こうして、全財産を投資して、骨の髄まで詐欺師に吸い取られ、夢見ごごちで出金依頼した途端にトンズラされてしまいます。
FX自動売買詐欺
これも典型的なFX詐欺です。
画像ソフトで切り貼りした優秀な運用成績を見せびらかして信用させ、
- この自動売買ソフトを使えば、勝率99.9%も可能です。
- 今購入すれば、なんと初回特典につき、たったの30万円で進呈します!!
などと嘘を言って、高額かつ非常に低能な自動売買ソフトを売りつけます。
低能というのは、例えば、過去の値動きに対し、異常なほど最適化された検証結果を見せびらかして被害者を信用させ、被害者を騙して自動売買ソフトを購入させるのです。
しかし、実際にその自動売買ソフトを使っても、現在の値動きにまったくついていけず、思うような成績を残せない自動売買ソフトを低能と表現しています。
これは、実際には、「高性能」を謳って事実と異なる低能ソフトを販売しているのですから、詐欺罪に該当するわけですが、実際にそれを犯罪として立件できるかというと微妙なところです。
なぜなら、たとえ犯人が捕まったとしても「使い方を間違えたからよい成績を残せなかっただけで、この自動売買ソフトは、本来とても高性能なものだ。」と主張されたらどうでしょうか。
裁判官の気持ちになって考えてみてください。
要するに、「勝率99.9%を保証する。」と言えば詐欺ですが、「勝率99.9%も可能。」と言ってしまえば、仮に嘘だとしても、嘘と証明する要素がないという話なのです。
世の中そんなに甘くない
誤解を恐れずに申し上げます。
すでに騙されてしまった方がこの記事を読めば、ただ不快になるかもしれないことは、先に謝っておきます。
しかし、やはり、世の中そんなに甘くないです。
- わざわざ人の金を集めて、増やして還元するお人良しはいません。
- 勝率9割越えの自動売買ソフトを持っていたら、「世のため人のために格安で販売してあげよう」と考えるでしょうか。
甘い言葉で誘惑して、被害者を騙し、骨の髄までしゃぶって捨てる。
詐欺師とは、「同じ人間とは考えたくもない不届きな人種」だと私は思います。
だから、善良なるFX初心者の方には騙されないで欲しいのです。
FXトレードの世界は、とても厳しいと思います。
しかし、だからこそやりがいがあります。
勉強を続けて、自分の力で勝利を勝ち取って笑顔になっていただきたいものです。
詐欺師に騙された場合の対処法
警察に被害届を提出する
もしも、詐欺の被害に遭ったら、警察に被害届を提出しましょう。
ありきたりですが、これが最初の第一歩です。
もちろん、犯人が簡単に捕まるかというと、そこまで甘くはありません。
いかに難しいか、その理由を説明します。
日本人をカモにする外国人詐欺集団の存在
日本人をターゲットにしているのは、何も日本人だけではありません。
詐欺という犯罪の特性上、インターネットや携帯電話端末という通信手段を利用すれば、対面することなく遠く離れた海外からでも簡単に人を騙せてしまうのです。
相手が、実態の見えない外国人詐欺集団の場合、日本にいる日本人の犯人を捕まえるよりも、捜査の難易度は格段に跳ね上がるはずです。
例えば、犯人を捕まえる重要な手掛かりとして、レンタルサーバーやドメインの契約者情報が挙げられます。
しかし、詐欺師は、海外の格安レンタルサーバーやドメインを使いまわしているケースが多いので、契約者の情報をとることが困難です。
架空の会社所在地
詐欺師が語る架空の会社の所在は、多くの場合、商用ビルの一室をかりているかのように装っている場合がほとんどです。
これも海外ですと確認のしようもありません。
大がかりな海外詐欺集団の場合、実際には運営していないペーパーカンパニーの所在地を公開したり、出資者を抽選で招待して全く別の関連会社(知人の会社?)あるいは本当に運営している表向きは別の事業を行っている会社へ連れて行ったりして信用させるケースもあるでしょう。
海外の豪華なホテルに招待して盛大にパーティーを行って被害者を虜にしていた詐欺集団もいましたね。
名前は忘れましたが。
他人名義の闇口座
犯罪に使われる口座、つまり、今回のケースでいえば、出資者がお金を振り込む口座は、まったく関係のない第三者の口座であることが多いです。
例えば、闇金に追われている人が借金の肩代わりに口座を作って闇に流してしまったり、単純に小遣い稼ぎのつもりで口座を作って売ってしまったり。
そのような不正に取得された口座が、実は闇のマーケットで取引されていて、その多くが犯罪者にとって、「足のつかない都合のいい口座」として利用されてしまっているわけです。
詐欺師ご用達の電話回線
上記口座の例と同じように、不正に取得された携帯電話若しくは、無数にある通信会社から匿名で電話番号を取得したsimを利用して、詐欺師は被害者に電話をかけているのです。
だから、被害者がコンタクトをとってきた営業マンは、偽名であるのはもちろんのこと、使っている電話番号を調べてもまともな契約者情報を引き出すことはできません。
警察に被害届を提出するのは無駄なのか
いいえ、決してそうではありません。
確かに、すぐに犯人を捕まえてお金を取り返してもらおうなどと考えていると、失望することになるでしょう。
そもそも、日本の警察は(というか、警察の存在そのものが)、犯人を捕まえることが目的であって、お金を取り返してあげるための機関ではないからです。
では、警察に被害届を提出することが無駄なのでしょうか。
もちろんそんなことはありません。
後に述べますが、各関係機関に相談する際若しくは保証を受けようとする場合、警察へ被害届を提出することが前提条件になる場合があります。
それに、可能性は低いかもしれないのですが、もしも犯人を捕まえてもらえれば、弁護士を雇い、民事で被害金を返させることも可能かもしれません。
そのようなわけで、犯罪の被害に遭ったら、「犯人を捕まえて欲しい。」という強い気持ちをもって被害届を提出しに行きましょう。
もちろん、その際には、証拠資料を集めて持っていくことが大切です。
証拠資料とは、詐欺罪が成立するための条件である、
- 欺罔行為…人を欺いて騙すこと、つまり、事実がないのに、さもあるかのように装って嘘をつくことです。
- 錯誤…欺罔行為によって被害者が騙されること
- 財物の交付…実際に金銭その他の財物を詐欺師に渡してしまうこと
を証明できる資料が必要です。
具体的には、
- 送付された会社の概要がわかる資料
- 営業マンとやりとりしたメールを印刷した資料(配当金の明細、運用記録を含む)
- 営業マンとの電話の録音資料(相手の嘘を録音すること)
- 振り込み先と振り込みに使った口座がわかる資料
と、身分証明書、印鑑です。
※警察相談専用電話とかホットライン等を記事にしようか悩んだのですが、もしも、あなたが犯罪の被害者であれば、「最寄りの警察署へ行きなさい。」と言われるだけですから、当記事でご紹介する必要はないと判断しました。
弁護士に相談する
警察に解決できない民事的紛争は弁護士に相談しましょう。
例えば、被害を受けた相手先が、実際に(言い逃れに使う場合も含めて)被害者の預けた出資金を運用していたとしましょう。
こうなれば、運用の程度にもよりますが、前述の欺罔行為の立証(騙すつもりがあったことを証明すること)が困難になります。
あるいは、被害者自身が本当に詐欺の被害に遭っているのかどうか迷っている場合、警察が被害届を受理できないかもしれません。
そのような場合は、民間の弁護士に依頼することが一番です。
相談費用と成功報酬費用はかかりますが、法的根拠に基づいて相手方と話をつけてくれている可能性があります。
もしも、相談費用を少しでも抑えたい場合は、法テラスの窓口を利用する方法もあります。
しかし、法テラスの無料相談は、お金がない人を対象にしているので、資産に関する申告書を提出した結果、無料で利用できない可能性があることも知っておいてください。
その他に、例えば、被害の概要が非常に複雑で整理がつかない場合や警察から告訴状の提出を求められた場合にも力になってくれるはずです。
FX詐欺の被害に遭わないために
当然のことですが、騙された被害者が悪いわけはありません。
犯罪者である詐欺師が悪い人間なのです。
しかし、前述のとおり、一度詐欺の被害に遭ってしまうと、どんな関係機関を頼ったところで、一筋縄で解決することはできません。
一番大切なのは、詐欺の被害に遭わないことです。
自分の力でトレードすること
結局のところ、詐欺師が狙っているのは、被害者の弱い心です。
弱い心とはどのような心かというと、はっきり言って「他人任せな心」です。
説教臭くなっては、せっかく訪問してくださっている読者の方にとって面白くないと思うので、心苦しいのですが、
- お金を預けたら勝手に増やしてくれる
なんて、通常ありえないことです。
銀行等のきちんとした機関であれば大丈夫ですが、結局のところ、
- 一般常識では考えられない高配当、運用成績を信じてはダメ。
- 「絶対儲かる。」「一日わずか10分の簡単作業で人生が変わる。」など、人生もFXもそんなに甘くない。(すいません。)
ということです。
おわりに
FXはとても厳しい世界です。
しかし、だからこそ、自ら学び努力した結果、勝利したトレードには格別の喜びがあります。
多くの勝ち組トレーダーは、最初は、負けては反省を繰り返し、勉強して努力して、数年かけてやっと勝てるようになります。
当サイトを通じて、多くの方々が、不幸な犯罪に巻き込まれず、自分の力で勝利を得られるようになることが、私の目標です。
一緒に頑張りましょう。
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