エリオット波動理論
エリオット波動とは、ラルフ・ネルソン・エリオットという米国の株式アナリストが提唱した理論です。
元々は、株価の値動きを予測したものですが、人の恐怖と欲望により動くFX(外国為替取引)市場においては、株価と同様に使える理論です。
そして、この理論の奥は深く、全てマスターするには相当の努力が必要かと思います。
私も分厚い本を読み、日々意識しながらチャートに向き合っていますが、未だにマスターできた感はありません。
しかし、このエリオット波動理論に出会ってから、チャートリーディングの力がかなり上がったと自負していますし、要は、学問的にマスターするばかりではなく、実戦でどのように活かしていくかが大切だと思います。
エリオット波動理論を勉強すれば、相場を読む力(チャートリーディング)が格段に向上し、きっとあなたのトレードを助けてくれるはずです。
是非とも最後までお付き合いください。
エリオット波動の基本形
エリオットは、、「相場にはサイクルがあり、値動きには一定のリズムがある」としています。
また、相場の動きは最終的に、「5つの波で構成される」と定義しています。
5つの波とは、エリオット波動理論においては、根幹となる部分ですので、しっかりイメージしていきましょう。
まず、下の図をご覧ください。
エリオット曰く、相場とは、参加者の欲望と恐怖の駆け引きが作り出した波であり、相場は常に「推進と修正を繰り返しながら、波を描いて動いていく」ということです。
上の図を見ると、第1波、3波、5波が上昇波でトレンドを形成しているのに対し、第2波、4波は、トレンドに逆行していることがわかります。
このように相場は、5波を描きながら進むのですが、これらの波には3つの決めごとがあります。
それは、
-
第2波は、第1波の始点をした抜くことはない。
-
第3波が最も短い波になることはない。
-
第4波が第1波の価格帯に割り込むことはない。
というものです。
言葉で覚えるのは大変ですけど、要するに、相場というのは、
- Nの字を描きながら進行していくのが基本である。
- 第3波というのは、一番勢いがあって、長い波になることが多い。
と覚えておきましょう。
FXの波とは?
推進波と修正波
エリオットは、波を「推進波」と「修正波」に区別しています。
相場は、常に推進と修正を繰り返しながら進行していきます。
推進波というのは、上記の図のとおり、5つの波。
一方で、修正波は、3つの波と変形パターンで構成されます。
ここがエリオット波動を学習し始めたばかりの方にとって、まず最初に当たる壁でしょう。
上記図のように、1波、3波、5波が同じ方向を向いた5つの波は、推進波であり、それらの波に逆行するA,B,Cの3つの波は、修正波と覚えてください。
わかりやすく図にすると、こんな感じになります。
もうお気づきのこと、というか、すでにご存じの方も多いと思いますが、上記ABCの修正波こそがリトレイスメント(押し・戻り)と言われるものです。
リトレイスメントが入るタイミングは、様々ありますが、例えば重要なラインであったり、移動平均線であったりします。
要は、どんなにファンダメンタルズの上昇要因がある相場においても一方的に上昇、下降することは希であり、相場というのは、必ず修正を繰り返しながら進行していくということを覚えておきましょう。
より大きな波のサイクル
上記の8つの波のサイクルが終了すると、今度は、同じようなサイクルが繰り返し現れ、相場はさらに一回り大きな波へと進化していきます。
ここでは、エリオット波動を知らない方のために説明していますので、学問的で難解な言い回しは避けたいところです。そこで、私の以下の図を参考にしていただくとよいでしょう。(笑)
このように、相場は小さなサイクルを繰り返しながら、より大きなサイクルへと進化していきます。
実際の相場を見ていただければわかりますが、月足、週足、日足で見る大きな1波を、4時間、1時間、15分の短い時間足に切り替えて見ると、この理論がよく理解いただけると思います。
ただし、上記の例は上昇トレンドを表したものです。
推進波というのは、あくまでも1波、3波、5波が同じ方向を向き、相場を力強く引っ張っていく推進力を持った波のことであって、上昇トレンドでのみ見られるわけではありません。
下降トレンドにおいても、1波、3波、5波が同じ下方向を向いていれば、それは推進波と捉えて問題ありません。
エリオットの提唱する波が5波と3波になる理由
エリオット波動の波が5波と3波になる理由は、はっきりいってわかりません。(笑)
正確には、わからないというより、エリオット自身が深く言及していないためです。
しかし、先ほども申し上げたとおり、いくらファンダメンタルズの勢いがあっても、一方的に相場が進行することは希で(歴史的にはあります)、相場は必ず重要なラインや移動平均線等にぶつかって跳ね返され、次の上昇もしくは下降のため、エネルギーを貯めるように修正(一休止)します。
場合によっては、そのまま逆方向に行くこともあります。
しかし、相場に絶対はない以上、なんとも言えないのです。
ただ、このような理論は、相場を読むチャートリーディングのための武器の一つであると認識したほうがいいと思います。
完全に信用できるものではないにしろ、知らずして相場に臨むのは、危険というより、個人的には損をしているという印象です。
さて、正直なところ、エリオット波動は非常に奥が深く、1個の記事ではまとめきれないので、今回は、基本中の基本にとどめています。
次回は、さらに詳しい記事にしたいと思いますので、よければまたお付き合いください。
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